日の丸弁当
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戦後の日本はアメリカ占領軍による経済改革が始まり、この改革によって日本は1955年(昭和三十年)頃から高度経済成長期に入りました。
それに伴い、地方から都市への出稼ぎ労働者や高学歴化による勤労学生が急増していきます。
その頃の日本人はまだまだ貧しく、弁当といえば、大きなアルマイトの弁当箱にご飯をギッシリとつめて、しそ漬梅や白干梅と、当時の酸っぱい梅干を真ん中にのせる…。
その見た目から「日の丸弁当」と呼ばれ、当時の最もポピュラーなお弁当でした。
現在のようにカロリー計算などされている訳でもなく、ただ単純に「簡単で安くつき、梅のクエン酸の働きで飯が腐りにくい。」そんな質素な日の丸弁当だけでその日の午後をガムシャラに頑張ったのです。
ただ、毎日毎日同じ場所に梅干を入れておくと、その当時の純度の低いアルマイト弁当箱はすっぱい梅干の酸でそのうちにフタに穴が開いてしまいました。
なので、日によって梅干を乗せる位置を変える事が必要でした。
そんな三度の食事にありつけるだけで幸せを感じる事ができた時代だけに、給料日直後等に卵焼きなんかが日の丸の隅に入っていると、とても嬉しかったと昔の人は言います。
飽食の時代といわれ、食べ物が世に溢れている昨今、たまには古き良き時代の勤労魂が宿る「日の丸弁当」を作ってみませんか?
もちろん真心こもったおかずとお好みの梅干しで。
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