店主のひとりごと

店主のひとりごと

フジロック2024 出店記⑤「最終日」

目が覚めた瞬間、体が軋む、腕はパンパンに張り、足は地面に沈みそうなほど重い。「もう無理や……」そんな言葉が喉元まで出かかった。でも、それを飲み込んで、静かに起き上がった。最後の日。どこか妙に落ち着いていた。初日のような焦りも、2日目の絶望感...
店主のひとりごと

フジロック2024 出店記④「2日目」

朝、目が覚めた瞬間、体にまとわりつくような重さを感じた。睡眠3時間、腕も、足も、言うことを聞かない。ふと時計を見る。その瞬間、現実が突きつけられた。「やばい、もう時間や……。」慌てて身体を起こす。ギシギシときしむ関節に鞭打つように、昨日の疲...
店主のひとりごと

フジロック2024 出店記③「初日」

朝9時。フジロックの幕が、ゆっくりと上がった。空はどこまでも澄み渡り、柔らかな朝日が会場全体を包み込む。山の稜線が、光を受けて輪郭を浮かび上がらせていた。その美しさに見惚れる余裕なんて、本当はなかった。でも、ふとした瞬間、目に入ってしまうの...
店主のひとりごと

フジロック2024 出店記②「前夜祭」

18時から24時。空が、ほんの少しずつ夜の顔に変わっていく。まだ完全には沈まない陽の光が、山の端を赤く染めていた。遠くから、バンドのサウンドチェックの音が聴こえてくる。ドラムの低い音が山に反響し、ベースのうねりが腹の底に響いた。スタッフが短...
店主のひとりごと

フジロック2024 出店記①「出店の経緯」

はじまり「フジロックに出店したい。」その言葉は、心の奥底から湧き上がったわけでもなく、かといって誰かに促されたわけでもない。ふとした瞬間に、ぽつりと口からこぼれ落ちた。日本一のロックフェス、フジロック。音楽好きなら一度は憧れる場所だろう。け...