梅の祭り、今年も無事終了。

梅の収穫 福梅プレス

収穫、それは一年に一度の神聖な“祭り”

今年も無事に、「梅の祭り」が終わりました。

私たちにとって、梅の収穫はただの農作業ではありません。
それは、一年かけて自然と向き合い、命の恵みをいただく“神聖な時間”
だからこそ、私たちはこの収穫を“祭り”と呼んでいます。

大自然とともに育まれる

神々が宿る世界遺産・熊野の山々を背に、山霧が立ちこめる朝、澄んだ清流のせせらぎ、南から吹くやわらかな風―

この大自然の息吹を感じながら、早春の開花、梅雨の収穫、真夏の天日干し、夏から秋にかけたじっくりとした熟成まで、
私たちは一年をかけて梅と向き合い、自然の流れに寄り添いながら梅干しを育てています。

特に梅干しになる「完熟梅」は、木の上で自然に落ちるその瞬間を見逃さず収穫します。
それが、皮が薄く、果肉たっぷりで香り高く、日本一と称される南高梅となる所以。

落ちた瞬間から鮮度との戦いが始まり、その日のうちに塩漬けしないと、傷みが出てしまうため、
まさに“時間との勝負”。これぞ「命を預かる作業」です。

一方で、ジュースや梅酒、梅肉エキスに使うのは主に「青梅」。
それぞれの実が、それぞれのかたちで役割を果たし、命を活かされていきます。

自然の厳しさ

ただ、今年は例年と違い、ほとんど梅雨がなく、連日強い日差しの中での収穫作業は体力的にも過酷なものでした。

さらに、雨が少なかったことで地域によっては実が太りきらず、厳しい収量となったところもあります。

私たち福梅農園でも、豊作とは言えず、不作傾向の年となりましたが、幸いにも雹(ひょう)被害は1割程度にとどまり、

2025年 雹(ひょう)被害のご報告
今年2025年の梅の実り具合について、そして皆さまへの感謝いつも福梅本舗をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。本日は、皆さまに大切なお知らせがございます。4月上旬、和歌山県南部を4度にわたって襲った“雹(ひょう)”によって、私たちの梅...

完熟梅・青梅ともに冷凍保存用までなんとか収穫を終えることができました。

しかし、提携農家さんや長年苦楽をともにしてきた農家仲間の中には、雹によって大きな被害を受け、収穫すら叶わなかったところもあります。

同じ“梅の文化”を支える仲間として、その悔しさに胸が痛みます。

自然とともに生きる私たちにとって、「思い通りにならない年」こそが当たり前。
だからこそ、仲間と支え合いながら、次の年へと想いを繋いでいく――

今年収穫した完熟梅・青梅の一部は、6月だけじゃなく、その他の季節でも梅仕事ができるようにと、冷凍ストックとして販売の準備も進めています。
「今年の梅の味」を、ぜひみなさんにも味わっていただければ幸いです。

太陽に託す、最後の仕上げ

そして、収穫が終わった今、次なる工程は『天日干し』。
真夏の太陽の下でじっくり干すことで、
梅はより一層、旨味・香り・なめらかさをまとい、唯一無二の梅干しへと進化していきます。

この天日干しもまた、自然と人の力が重なり合ってはじめて成り立つ、重要な工程。
今年も丁寧に、じっくり、真心込めて干していきます。


私たちが収穫したのは、梅の実だけではありません。
自然の恵み、仲間との絆、そしてこの土地に根づく文化――
それらすべてが、今年も実を結んでくれました。

来年の、梅の祭りまで、また1年育んでいきます。

「1000年先も、梅をかじろう。」

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